「生活のためにオフィスへ通わねばならない人々には、どこか退屈なところがある」

カール・ラガーフェルド(画像はイメージです)
  • 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
  • ドイツ出身
  • ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター

英文

“There’s something boring about people who have to go to an office for a living.”

日本語訳

「生活のためにオフィスへ通わねばならない人々には、どこか退屈なところがある」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が意図しているのは、労働が制度化され、時間と場所に縛られたときに生じる精神の硬直への違和感である。ここで批判されているのは働くことそれ自体ではなく、創造性や主体性が日課や規則に吸収され、個人が自分の生のリズムを見失ってしまう状態である。仕事が自己形成の場でなく、単なる反復的義務になるとき、人は内面の運動を失い、外側の枠組みによって定義される存在になってしまうのである。

この感覚は、産業化とオフィスワークが社会の標準になった二十世紀の経験と結びついている。その文脈でカール・ラガーフェルドは、創造労働を時間割と机に縛る発想そのものに距離を取り、自由な思考と移動性を重視する姿勢を貫いていた。大量生産と官僚制が広がる時代において、オフィスは効率の象徴であると同時に、個性が均質化される空間でもあったのである。

現代においてこの言葉は、自由と規律の関係を再考する視点を与える。リモートワークや個人事業が広がる一方で、人はなお制度の中で働くが、そのとき重要なのは場所ではなく、どれだけ自己の判断と意味づけが保たれているかである。啓蒙思想が求めた自律的主体として生きるためには、与えられた役割をただ演じるのではなく、自らの仕事を自らの思想と結びつけて引き受け直す態度が必要なのである。

「カール・ラガーフェルド」の前後の引用


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