「人形を収集している人々ほど私を怖がらせるものはない」

- 1933年9月10日~2019年2月19日(85歳没)
- ドイツ出身
- ファッションデザイナー、写真家、シャネルおよびフェンディのクリエイティブディレクター
英文
“Nothing scares me more than people with some doll collection.”
日本語訳
「人形を収集している人々ほど私を怖がらせるものはない」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉が意図しているのは、物への執着が人格や現実感覚を歪めていくことへの直感的な不安である。人形という対象は本来、命を模した空虚な形であり、それに過剰な愛着を向けることは、他者との生きた関係よりも記号的な代理物を優先する態度を象徴している。ここでは、趣味の問題ではなく、現実との距離の取り方が問われているのである。
この感覚は、消費とコレクションが自己同一性を補う手段となった時代背景と結びついている。カール・ラガーフェルドが活動した文化圏では、物を集めることが記憶や欲望の代替として機能しやすく、その結果として生の手触りが希薄化する危険も意識されていた。人形はその極端な例として、不気味さとともに現実逃避の徴候を示していたのである。
現代においてこの言葉は、自由と主体性の問題として読み替えられる。アルゴリズムや商品が欲望を先回りして与える社会では、人は物に所有される側に回りやすくなる。啓蒙思想が説いた自律とは、外部の対象に支配されず、自分の理性で価値を選び取ることであり、この言葉は収集という行為がその境界を越えるときの危うさを警告しているのである。
「カール・ラガーフェルド」の前後の引用
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