「アメリカ全体が分離主義的であり、人種差別的である。北部ではより巧妙に隠されているが、本質的には同じことだ」

マルコム・X(画像はイメージです)
マルコム・X(画像はイメージです)
  • 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”America in its entirety is segregationist and is racist. It’s more camouflaged in the north, but it’s the same thing.”

日本語訳

「アメリカ全体が分離主義的であり、人種差別的である。北部ではより巧妙に隠されているが、本質的には同じことだ」

解説

この言葉は、マルコム・Xがアメリカ社会全体における構造的な人種差別を指摘したものである。彼は南部の露骨なジム・クロウ法下の差別と、北部の表面的には自由を装いながらも潜在的に存在する差別を同質のものと見なした。つまり、差別は地域差の問題ではなく、アメリカという国家全体に根ざした問題だと強調している。

背景には、1960年代当時の社会状況がある。南部では公然とした隔離政策が存在し、北部では法的には平等が保障されていても、住宅、雇用、教育などで制度的・隠然とした差別が続いていた。マルコム・Xはこれを「カモフラージュ」と表現し、白人リベラルが掲げる進歩的な言説に対しても批判的な立場を取ったのである。

現代においてもこの視点は有効である。表向きの平等や多様性の推進が語られても、潜在的偏見や構造的格差は容易に消え去らない。たとえば雇用機会や警察による取り扱いにおいて、黒人やマイノリティが依然として不利な立場に置かれる現実がある。マルコム・Xの言葉は、差別を「表面的な現象」ではなく社会全体に組み込まれた構造として理解すべきことを訴えている。

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