「規制はモラルハザードを生み出す」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Regulation creates a moral hazard.”

日本語訳

「規制はモラルハザードを生み出す」

解説

この短い名言は、政府の介入や規制が意図せぬ逆効果を生む可能性を鋭く指摘している。「モラルハザード」とは、本来であれば自らの行動に伴うリスクを負うべき者が、外部の保障や救済によって無責任な行動を取るようになる現象である。オロークは、規制が安全網を提供する一方で、当事者の自己責任意識を弱め、むしろ無謀な行為や不正を助長する危険性があると主張している。

この視点は、特に金融危機や企業不祥事への政府対応に関連して語られることが多い。たとえば、銀行が「どうせ政府が救済してくれる」と考えてリスクの高い投資を続けた結果、破綻を招くというケースはまさにモラルハザードの典型例である。オロークの言葉は、善意の介入が逆に制度全体を脆弱にするという皮肉な現実を警告している。

現代においても、規制は社会秩序の維持に不可欠である一方で、それに依存することの危うさも存在する。オロークの名言は、制度の裏側にある人間心理や行動の変化を見抜く鋭さを示しており、政策立案や経済運営においては、規制の設計に慎重なバランス感覚が求められることを示唆している。

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