「映画制作者は、アメリカらしい撮影地を探すときに、それをアメリカ国内で探せば税控除という報酬を受けられる」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Moviemakers are rewarded with tax write-offs if, when seeking a location that looks like America, they seek it in America.”

日本語訳

「映画制作者は、アメリカらしい撮影地を探すときに、それをアメリカ国内で探せば税控除という報酬を受けられる」

解説

この名言は、映画産業と税制優遇の矛盾を風刺している。オロークは、映画制作者がアメリカを舞台にした作品を作るにもかかわらず、コスト削減のために海外で撮影する傾向を皮肉っている。アメリカ政府はそれを国内産業振興のために税制優遇で引き留めようとするが、そのこと自体が滑稽だと示唆しているのである。

背景には、1980年代以降のハリウッドにおけるロケ地の海外流出がある。カナダや東欧諸国などは低コストと税制優遇で映画の撮影地として人気を集め、アメリカ国内の雇用や経済に影響を与えた。そのためアメリカ政府や各州は「撮影を国内で行えば税制上のメリットを与える」という制度を設けた。オロークはそれを「アメリカらしい場所をアメリカで探す」という当たり前の行為に報酬が必要な状況として皮肉っている。

現代に応用すると、この言葉はグローバル経済における産業保護政策の限界を示している。映画だけでなく、多くの産業がコスト削減のために生産拠点を海外に移している現実がある。オロークの皮肉は、産業を国内に留めるために過剰なインセンティブが必要になる状況を批判し、自由市場と国家介入のバランスを考える視点を与えているのである。

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