「政治的言論はあまりに腐敗してしまい、ある大統領候補の悪臭と別の候補の悪臭を区別することすら不可能になっている」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”Political discourse has become so rotten that it’s no longer possible to tell the stench of one presidential candidate from the stink of another.”

日本語訳

「政治的言論はあまりに腐敗してしまい、ある大統領候補の悪臭と別の候補の悪臭を区別することすら不可能になっている」

解説

この名言は、政治的堕落と候補者の質の低下を強烈に皮肉っている。オロークは「stench(悪臭)」や「stink(悪臭)」といった語を重ねて用い、政治全体が腐敗臭に包まれている状況を比喩的に描いている。つまり、有権者にとって候補者同士の違いが本質的に見えず、どちらも腐敗しているようにしか映らないという厭世的な視点である。

背景として、アメリカ政治は20世紀末から21世紀初頭にかけて、二大政党制の分極化、スキャンダル、過激な選挙戦が繰り返された。有権者は候補者を選ぶというより、より「ましな悪」を選ばされているという感覚を持つようになった。オロークはその倦怠感と失望を、ユーモラスながらも辛辣な言葉で表している。

現代に応用すると、この言葉は政治的不信の蔓延を指摘するものとして有効である。多くの国で、有権者が候補者や政党に強い期待を抱けず、「どちらも腐敗している」と感じている。SNSの普及によってスキャンダルや対立が拡大再生産される現代においても、オロークの言葉は政治参加の意義や候補者選びの困難さを鋭く言い当てているのである。

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