「私はビートルズを解散させたのではありません。両方の言い分を同時に取ることはできません。もし私をビートルズ解散の原因だと非難するのであれば、崩壊していくグループのままではなく、神話的存在にしたことをむしろ感謝すべきです」

- 1933年2月18日~
- 日本出身(後にアメリカ合衆国に帰化)
- 前衛芸術家、音楽家、平和活動家、「ジョン・レノンの妻」
英文
”I did not break up the Beatles. You can’t have it both ways. If you’re going to blame me for breaking the Beatles up, you should be thankful that I made them into myth rather than a crumbling group.”
日本語訳
「私はビートルズを解散させたのではありません。両方の言い分を同時に取ることはできません。もし私をビートルズ解散の原因だと非難するのであれば、崩壊していくグループのままではなく、神話的存在にしたことをむしろ感謝すべきです」
解説
この言葉は、長年にわたる「ビートルズ解散の原因」というレッテルに対する反論である。世間ではジョン・レノンとの関係が解散の引き金となったとする見方が広まったが、オノ・ヨーコはその見解を否定し、むしろ解散によってビートルズは崩れていく姿をさらさず、伝説的な存在として保存されたと主張している。
彼女はしばしばスケープゴートとされ、批判や誤解を受けてきた。しかし、その中でも自らの立場を明確にし、「解散=終わり」ではなく「神話化=永遠化」という新しい視点を提示した点に独自の強さがある。この言葉は、芸術や歴史の中で「終わり」をどう捉えるかという哲学的な問いにもつながっている。
現代においても、伝説的なグループや人物はしばしばその「終焉」によって神話化される。ビートルズの音楽が今なお世界的に愛されるのは、解散後に残された「完全なイメージ」が大きな要因となっている。オノ・ヨーコの発言は、批判を逆手に取り、歴史を新しい角度から見る視座を与えているのである。
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