欲望

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欲望

欲望とは、人間が本能的あるいは意識的に抱く「何かを得たい」「成し遂げたい」という内的衝動を指す。

衣食住を求める生存本能から、名誉や富、愛情や自己実現に至るまで、その対象は多様である。

欲望は人を行動へと駆り立て、文化や文明の発展を促す原動力となる一方、抑制を失えば争いや苦悩の原因ともなる。

哲学や宗教では、欲望を制御することが幸福や救いにつながると説かれる場合が多い。

すなわち、欲望は人間の成長と苦悩を同時に生み出す根源的な力である。

名言

  1. 「四つの力がある。記憶と知性、欲望と貪欲である。最初の二つは精神的なもので、残りは感覚的なものである。三つの感覚、視覚、聴覚、嗅覚は防ぐことが難しく、触覚と味覚は全く防ぐことができない」 - ダ・ヴィンチ
  2. 「人間の行動は、主に欲望、感情、そして知識という3つの源から流れ出る」 - プラトン
  3. 「所有したいという欲望こそが、貪欲という罪である」 - シェイクスピア
  4. 「欲望が、行動をはるかに超えて長く生き続けるのは奇妙ではないか?」 - シェイクスピア
  5. 「経験が、経験そのものへの欲望として捉えられると、真の経験にはならない。経験している最中に自分を観察してはならない」 - ニーチェ
  6. 「必要でもなく、欲望でもない—いや、権力への愛こそが人間の悪魔である。健康も、食べ物も、住まいも、娯楽もすべて与えられても、人は不幸で憂鬱なままでいる。なぜなら、その悪魔は待ち続け、満たされることを望んでいるからだ」 - ニーチェ
  7. 「私たちのほとんどの欲望は、よくよく考えてみると、あまりに恥ずかしくて打ち明けられない何かを含んでいる」 - ユゴー
  8. 「世間の目には、愛とは肉体的欲望か漠然とした幻想にすぎず、所有すれば消え、離れれば消滅するものである。そのため、情熱は持続しないと、言葉を奇妙に濫用して語られる」 - ユゴー
  9. 「価値ある者に施しを行うことは、良い土に良い種を蒔くようなものであり、豊かな実りをもたらす。しかし、欲望に支配された者に施しを与えることは、悪い土に種を蒔くようなものである。施しを受ける者の欲望が、まるで功徳の成長を妨げるかのようである」 - 釈迦(ブッダ)
  10. 「与える者は真の利益を得る。自己を抑える者は自由になり、欲望の奴隷から解放される。正しき者は悪を捨て、欲望、苦々しさ、そして幻影を根絶することで涅槃に到達する」 - 釈迦(ブッダ)
  11. 「退屈とは、欲望への欲望である」 - トルストイ
  12. 「過剰な力への欲望が天使を堕落させ、知識への欲望が人間を堕落させた」 - ベーコン
  13. 「権力を求めて自由を失うこと、または他者に対する権力を求めて自己の制御を失うことは、不思議な欲望である」 - ベーコン
  14. 「欲望の抑制は人格の背景である」 - ロック
  15. 「私はもう何も確信できない。欲望を満たせば罪を犯すが、それによって欲望から解放される。しかし、満たさずに拒めば、欲望は魂全体を蝕んでしまう」 - サルトル
  16. 「私たちは、他の人より多く稼ぐ能力を持つ者がいることを認識し続ける。しかし、個人が適切な安全を確保するという野心は、大きな富や権力を追い求める欲望よりも優先されるべき野心であると主張する」 - フランクリン・ルーズベルト
  17. 「アフリカに行ってその子供たちを奪い、ただ金銭の欲望だけで彼らを果てしない束縛に売り渡す者は、最も堕落した殺人者よりもはるかに悪い存在であり、私の手によって赦されることは決してない」 - リンカーン
  18. 「今、私が『自分』と呼んでいるものは、ほとんど人間らしいものではない。それは主に、さまざまな自然の力、欲望、恐れなどが交差する場にすぎない。それらの一部は先祖から受け継がれたものであり、一部は教育から、一部はおそらく悪魔から来ている。本来あるべき『自分』とは、自然ではなく神から生きる存在だ」 - C・S・ルイス
  19. 「書くことは『欲望』のようなものだ。あるいは『かゆいところをかく』ようなものだ。書くという行為は非常に強い衝動の結果として現れる。そしてそれが現れたとき、少なくとも私にとっては、それを外に出さずにはいられない」 - C・S・ルイス
  20. 「死は感覚の印象からの解放であり、私たちを操る欲望からの解放であり、心の迷いからの解放であり、肉体の厳しい奉仕からの解放である」 - アウレリウス
  21. 「人は非常に単純であり、その瞬間の欲望に容易に屈するため、欺こうとする者は常に欺かれる者を見つけることができる」 - マキャヴェッリ
  22. 「より多くを求める欲望は、確かに非常に自然で一般的なことであり、それを成し遂げる者は常に非難されるよりも称賛される。しかし、能力を欠きながら、なおもどんな犠牲を払ってでも手に入れようとする者は、その過ちのために非難されるに値する」 - マキャヴェッリ
  23. 「何のために意味を求めるのか。人生とは意味ではなく、欲望である」 - チャップリン
  24. 「宗教は幻想であり、それが本能的欲望に沿っているという事実から力を得ている」 - フロイト
  25. 「知恵は教訓の中にではなく、生き方の中にこそ現れる——それは精神の強さと欲望の制御に表れる。知恵は語るだけでなく行うことを教え、言葉と行動とを一致させることを教える」 - セネカ
  26. 「欲望をよく制御することこそが、自由の大部分を占める」 - セネカ
  27. 「私たちに本当に必要なものは、私たちの欲望とは決して等しくない」 - ベンジャミン・フランクリン
  28. 「幸福になる方法は二つある。欲望を減らすか、手段を増やすかだ――どちらでもよい。結果は同じであり、どちらを選ぶかは人それぞれ、自分にとって容易な方を選べばよい」 - ベンジャミン・フランクリン
  29. 「最初の欲望を抑える方が、その後に続く欲望を満たし続けるよりはるかに容易である」 - ベンジャミン・フランクリン
  30. 「女の美しさが、男の一番醜い欲望とじかにつながっている、ということほど、女にとって侮辱はないわ」 - 三島由紀夫
  31. 「潔癖さというものは、欲望の命ずる一種のわがままだ」 - 三島由紀夫
  32. 「好奇心には道徳がないのである。もしかするとそれは人間のもちうるもっとも不徳な欲望かもしれない」 - 三島由紀夫
  33. 「欲望と強制、この二つが我々のすべての行動の原因であり、欲望が自発的な行動を、強制が不本意な行動を引き起こす」 - ブレーズ・パスカル
  34. 「人類が絶滅する方がましだ――神の最も高貴な創造物である女性を、我々が欲望の対象に貶め、獣以下の存在になるくらいなら」 - ガンディー
  35. 「人は、質素な生活と高尚な思索という理想を追うことから離れる。その瞬間とは、日々の欲望を増やそうとする時である。本当の幸福は、実のところ満足の中にある」 - ガンディー
  36. 「最も深い欲望からは、しばしば最も恐ろしい憎しみが生まれる」 - ソクラテス
  37. 「敵を征服する者よりも、自らの欲望に打ち克つ者こそ私は勇者と呼ぶ。なぜなら、最も困難な勝利は自己に対する勝利だからである」 - アリストテレス
  38. 「欲望を現在の手段に見合うよう抑えよ。手段が増したときにのみ、欲望を増やすべきである」 - アリストテレス
  39. 「人間の行動には、次の七つのうち一つまたは複数の原因がある──偶然、自然、強制、習慣、理性、情熱、欲望」 - アリストテレス
  40. 「愛と欲望は、偉大な行いへと導く魂の翼である」 - ゲーテ
  41. 「素朴さを示し、単純さを受け入れ、利己心を減らし、欲望を少なくせよ」 - 老子
  42. 「欲望が少なく、それらを自ら満たすことほど優雅なことが他にあるだろうか」 - エマーソン
  43. 「心に欲望が生じたときは、困窮していたときのことを思い出すべきである」 - 徳川家康
  44. 「人間は、時として、充されるか充されないか、わからない欲望の為に、一生を捧げてしまう」 - 芥川龍之介
  45. 「秩序を無用の抑圧だとして、無制限の自由で人生の階調が成り立つと思っている人達は、人間の欲望の力を侮っているのではあるまいか」 - 森鴎外
  46. 「エネルギーは永遠の歓喜であり、欲望しても行動しない者は疫病を生み出す」 - ウィリアム・ブレイク
  47. 「欲望しても行動しない者は、疫病を生み出す」 - ウィリアム・ブレイク
  48. 「自らの欲望を抑える者は、その欲望が抑えられるほどに弱いからそうするのだ」 - ウィリアム・ブレイク
  49. 「欲望は人間の本質そのものである」 - スピノザ
  50. 「野心とは、権力に対する節度を欠いた欲望である」 - スピノザ
  51. 「人は舌ほど支配しにくいものはなく、欲望よりも言葉を抑えることの方が難しい」 - スピノザ
  52. 「欲望は人間の本質である」 - スピノザ
  53. 「人はその欲望と享楽との比率によって、裕福にも貧困にもなる」 - サミュエル・ジョンソン
  54. 「家庭で幸福であることこそ、あらゆる野心の究極の結果であり、すべての事業と労苦が目指す終着点であり、あらゆる欲望がその実現を促すものである」 - サミュエル・ジョンソン
  55. 「人生を動かし続けるには何らかの欲望が必要であり、現実の必要が満たされた者は、空想上の欲望を受け入れねばならない」 - サミュエル・ジョンソン
  56. 「家業は精を出して励まなければならないものであり、怠けて済むものではない。欲望はそれとは違い、抑えなければならないものである」 - 二宮尊徳
  57. 「人の霊的な本質から生まれる心を『真心』といい、それはすなわち『道心』である。身体的な欲望から生まれる心を『私心』といい、それはすなわち『人心』である」 - 二宮尊徳