「宮殿の奥の私室に仕える、最も洗練された巻き毛の廷臣でさえ、白熊のように粗野で原始的な動物性を宿している」

ラルフ・ワルド・エマーソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1803年5月25日~1882年4月27日
  • アメリカ合衆国出身
  • 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者

英文

“The smoothest curled courtier in the boudoirs of a palace has an animal nature, rude and aboriginal as a white bear.”

日本語訳

「宮殿の奥の私室に仕える、最も洗練された巻き毛の廷臣でさえ、白熊のように粗野で原始的な動物性を宿している」

解説

この名言は、どれほど洗練され、礼儀正しく振る舞う人物であっても、その本質には自然で野性的な一面が宿っているという、人間性への深い洞察を示している。エマーソンは、文明の仮面の下にある「animal nature(動物的本性)」を見抜いており、それは「rude and aboriginal(粗野で原始的)」であり、極地に棲む「white bear(白熊)」のような存在に喩えられている。つまり、人間の文化や洗練さは表層に過ぎず、その奥には自然のままの本能や欲望が脈打っているという視点である。

この考えは、彼の自然哲学と個人主義的倫理に深く根ざしている。エマーソンは、人間を自然の延長線上にある存在と見なしており、社会的地位や振る舞いがどれほど上品であっても、本性としての原始的衝動や生命力を完全に消し去ることはできないとする立場である。それは否定ではなく、むしろ人間の全体性を理解するために不可欠な要素であるとされている。

現代においてこの名言は、人間の行動や心理を理解する上で、文化や理性だけでなく本能や感情の重要性を見直す視点を与える。ビジネス、政治、芸術などの場においても、表向きの洗練の裏にある本能的欲求や衝動を見抜く洞察力が求められる。エマーソンのこの言葉は、人間の中の野生性と文化性との緊張関係を鮮やかに描き出す、普遍的な真理の表現である

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