「すべての書物は引用であり、すべての家は森や鉱山、石切場からの引用であり、すべての人間はその祖先すべてからの引用である」

- 1803年5月25日~1882年4月27日
- アメリカ合衆国出身
- 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者
英文
“Every book is a quotation; and every house is a quotation out of all forests, and mines, and stone quarries; and every man is a quotation from all his ancestors.”
日本語訳
「すべての書物は引用であり、すべての家は森や鉱山、石切場からの引用であり、すべての人間はその祖先すべてからの引用である」
解説
この名言は、あらゆる創造や存在が過去の積み重ねから成り立っているという、歴史的連続性と継承の思想を示している。エマーソンは、「引用(quotation)」という語を比喩的に用い、人間の知識、物質文化、そして人格ですら完全に独立したものではなく、先人や自然の影響を受けて形成されたものであると語る。独創とは孤立した発明ではなく、受け継がれたものの新しい組み合わせであるという認識がここにはある。
この思想は、エマーソンの自然観、歴史観、そして人間観の総合的表現でもある。自然から得た材料を組み合わせて住居を築くように、人間の思考や行為もまた先人の思想・経験・遺伝によって形作られている。彼はこの事実を否定するのではなく、むしろそれを受け入れることで、個人の精神的深みと社会的連続性の重要さを強調している。
現代においてもこの名言は、知的財産や文化的継承、アイデンティティ形成の文脈で重要な意味を持つ。創作、建築、教育、遺伝学などの分野において、私たちは常に何かを引き継ぎながら新しいものを生み出している。エマーソンのこの言葉は、人間の創造行為と存在そのものが、過去と切り離せない「引用」から成っているという、普遍的な洞察を提供している。
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