「どの時代も、自らの書物を書かねばならない。あるいはむしろ、各世代が次の世代のために書くのである」

ラルフ・ワルド・エマーソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1803年5月25日~1882年4月27日
  • アメリカ合衆国出身
  • 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者

英文

“Each age, it is found, must write its own books; or rather, each generation for the next succeeding.”

日本語訳

「どの時代も、自らの書物を書かねばならない。あるいはむしろ、各世代が次の世代のために書くのである」

解説

この名言は、知識や思想は固定されたものではなく、時代ごとに再構築されるべきものであるというエマーソンの歴史観と文化観を表している。「自らの書物を書く」という比喩は、その時代特有の価値観、課題、感性に即した表現と記録の必要性を意味している。そして「次の世代のために書く」という一節により、文化の継承と創造が同時に行われる世代間の営みが強調される。

この思想は、エマーソンの超越主義の核心とも関わる。彼は、過去の偉大な思想を尊敬しつつも、盲目的な模倣を拒否し、現代人自身の直観と経験に基づく創造的思考を促した。したがって、「書物を書く」とは単なる文学活動にとどまらず、自らの生き方や社会的実践を通して、未来に通じる価値を表現する行為でもある。

現代においても、この名言は知的・文化的な責任を再認識させる。あらゆる情報や知識が過去から流通しているように見えても、私たち自身の時代に即した言葉と思想を生み出さなければ、次の世代は方向を見失う。エマーソンのこの言葉は、生きることそれ自体が未来への執筆行為であり、各人がその担い手であるという、崇高な文化的使命を語っているのである。

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