「私たちはヨーロッパの宮廷風のミューズたちにあまりにも長く耳を傾けすぎてきた」

ラルフ・ワルド・エマーソンの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1803年5月25日~1882年4月27日
  • アメリカ合衆国出身
  • 哲学者、随筆家、詩人、超越主義運動の指導者

英文

“We have listened too long to the courtly Muses of Europe.”

日本語訳

「私たちはヨーロッパの宮廷風のミューズたちにあまりにも長く耳を傾けすぎてきた」

解説

この名言は、アメリカ文化の独立と精神的自立を求めるエマーソンの強い主張を表している。彼は、アメリカ人があまりにも長くヨーロッパ、特にその貴族的・形式的な文学や芸術の伝統に従属してきたことを批判している。「宮廷風のミューズ」とは、ヨーロッパの古典主義や貴族的な詩的感性の象徴であり、エマーソンはそこからの脱却を訴えている。

この言葉には、エマーソンの自己信頼(self-reliance)とアメリカ的精神の創造に対する強い情熱が込められている。彼はアメリカ独自の自然、思想、日常に根ざした表現こそが、真の文化的成熟をもたらす鍵であると考えていた。すなわち、アメリカは模倣から脱し、自らの土地と精神に根差した文学や芸術を生み出すべき段階に来ているという覚醒の呼びかけである。

現代においてもこの名言は示唆に富む。グローバル化が進む中で、文化の独自性はしばしば標準化の波に呑まれる危険がある。エマーソンのこの言葉は、真に豊かな文化とは、他者の形式をなぞることではなく、自分自身の声を発見し、それを育てることにあるという普遍的な教訓を私たちに与えている。すなわち、創造とは内発的でなければならず、尊敬と模倣の境界を超えて、自立した表現へと至るべきだという信念の表明なのである。

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