「夜は確かに、昼よりも新奇で、冒涜的でない」

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1817年7月12日~1862年5月6日
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、思想家、詩人、超越主義哲学者、自然と個人主義の擁護者

英文

“Night is certainly more novel and less profane than day.”

日本語訳

「夜は確かに、昼よりも新奇で、冒涜的でない」

解説

この言葉は、夜がもたらす神秘性や静寂が、昼間の喧騒や俗気とは異なる本質的な価値を持っているという感覚を表している。ソローにとって、昼は人間の活動が最も盛んな時間であり、それゆえに社会的、物質的、あるいは世俗的な要素に満ちている。一方、夜はそうしたものから距離を置き、精神的な深まりや直観、内省を促す「新しさ」に満ちている

この名言は、自然と密接に暮らしたソローの生活実感から生まれたものである。特に『ウォールデン』では、夜の森の静寂や星空の広がりが、人間存在の限界や宇宙とのつながりを意識させる瞬間として描かれている。夜はただ暗い時間ではなく、俗世の光から解き放たれた精神の空間として、特別な意味を持つ。

現代においても、夜の時間に読書や思索、創造的な活動を行う人は多い。それは、昼間の実用主義的な時間から解放されて、心が自由になるからである。この名言は、夜にしか訪れない静けさや内面の発見を大切にせよというソローの静かな提案であり、現代人にもなお響く詩的な観察である。

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