「種の中に物事を見ること、それが天才である」

• 紀元前571年？～紀元前470年？
• 中国出身
• 哲学者

英文

“To see things in the seed, that is genius.”

日本語訳

「種の中に物事を見ること、それが天才である」

解説

この言葉は、老子の先見性と本質把握の重要性を示すものとして解釈される。「種」とは可能性や本質の象徴であり、そこに未来の全体像や発展の姿を見通す力が「天才」だと説いている。つまり、物事の始まりや小さな兆しの中に、全体や結果を見抜く洞察力が真の知恵である。

老子の時代、自然界の観察と道（タオ）の理解が思想の中心にあった。「道は万物の根源」とする老子にとって、物事の根本や因を見極めることは、道に従う生き方そのものであった。目の前の現象だけでなく、その背後にある構造や本質に目を向けることが、混乱や過ちを避ける智慧になると考えた。

現代においても、優れた科学者や起業家などは、小さな兆候やデータから未来の展開を読み解く能力を持っている。例えば、イノベーションの芽を見逃さずに育てる力、あるいは子どもの特性を早く見出して適切な育成につなげる教育者などが、それに当たる。本質を見抜く眼こそが、時代を超えて尊ばれる才能なのである。

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