「私の考えでは、古典の巨匠たちの作品は芸術ではない。その価値は、その希少さにある」

- 1847年2月11日~1931年10月18日
- アメリカ出身
- 発明家、実業家
英文
“To my mind the old masters are not art; their value is in their scarcity.”
日本語訳
「私の考えでは、古典の巨匠たちの作品は芸術ではない。その価値は、その希少さにある」
解説
この言葉は、伝統的な評価に対するエジソンの独自の美意識と実用主義的視点を示している。彼はルネサンスやバロック期の「古典的名画」に対し、一般的に語られるような芸術的崇高さではなく、市場価値や希少性によってのみ評価されているに過ぎないと捉えていた。この名言は、本当の価値とは「本質的な意味」か「時代がつくった幻想」かを見極めよという挑発的なメッセージでもある。
エジソンはあくまで発明家であり、再現性・機能性・社会的有用性といった具体的成果を重んじる立場から物事を評価する傾向にあった。そのため、一部の限られた人々が称賛し、高額で取引される「芸術作品」に対して懐疑的な視線を向けたのは自然なことだったといえる。この発言は、美や価値が固定された概念ではなく、時代と評価軸に依存していることへの痛烈な指摘でもある。
現代においても、美術や文化財の価値がしばしば希少性・価格・権威によって左右される傾向は続いている。エジソンのこの言葉は、「価値」とは何か、「芸術」とは何かという根源的な問いを投げかけてくる。同時に、伝統や権威に対して自らの頭で判断する重要性を教えてくれる、実利主義者らしい異色の芸術批評ともいえる。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い