「私は、今なお生きている者の中でも稀に見るほど、戦争を知っている。その破壊性は味方にも敵にも及び、国際紛争を解決する手段として無益なものにしてしまった」

ダグラス・マッカーサーの名言
ダグラス・マッカーサーの名言
  • 1880年1月26日~1964年4月5日
  • アメリカ合衆国出身
  • 軍人、陸軍元帥、統治官
  • 太平洋戦争において連合国軍の司令官として活躍し、フィリピン解放や日本占領政策を主導。日本の戦後復興と民主化に大きな影響を与えた。名言「I shall return(私は必ず戻ってくる)」と共に、20世紀の軍事と外交の象徴的存在として知られている。

英文

“I have known war as few men now living know it. It’s very destructiveness on both friend and foe has rendered it useless as a means of settling international disputes.”

日本語訳

「私は、今なお生きている者の中でも稀に見るほど、戦争を知っている。その破壊性は味方にも敵にも及び、国際紛争を解決する手段として無益なものにしてしまった」

解説

この言葉は、戦争という手段の根本的な無力さと非人道性を、自らの経験を通して告白したものである。マッカーサーは二度の世界大戦と朝鮮戦争を通じて、戦争の栄光ではなく、その残酷さと空虚さを深く理解していた人物である。「few men now living(今なお生きている者の中でも稀に)」という表現は、自らの証言の重さと真実性を強調している。

戦争は従来、国家の意思を強制的に通すための最終手段とされてきたが、近代戦においてはその破壊規模があまりにも大きく、勝者もまた深い傷を負う。マッカーサーはここで、戦争の両義的な破壊性が「friend and foe(味方と敵)」に等しく及ぶことを指摘し、戦争がもはや外交的な解決策として成立しない段階にあるという現実を認めている。

この名言は、平和的な国際関係の構築が唯一の現実的な選択肢であることを訴える根本的なメッセージとして、現代にも強い意味を持つ。核兵器の存在や非対称戦争の複雑化によって、勝利が定義できない戦争が繰り返されている今こそ、マッカーサーのこの言葉は、戦争を超えた外交・協調・法の支配の重要性を再認識させる警句となっている。

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