「愛が支配するところには権力への意志はなく、権力が優位に立つところには愛が欠けている。その一方は他方の影である」

カール・グスタフ・ユング
カール・グスタフ・ユングの名言
  • 1875年7月26日~1961年6月6日
  • スイス出身
  • 精神科医、心理学者
  • 分析心理学を創始し、元型や集合的無意識の概念を提唱した

英文

“Where love rules, there is no will to power; and where power predominates, there love is lacking. The one is the shadow of the other.”

日本語訳

「愛が支配するところには権力への意志はなく、権力が優位に立つところには愛が欠けている。その一方は他方の影である」

解説

この名言は、ユングが人間の心理や関係性における愛と権力の相反する性質を洞察したものである。彼は、愛と権力は同時に共存しにくい要素であり、どちらかが支配的になると、もう一方が影のように隠される性質を持つと考えた。これは、彼の心理学における「影」の概念や相補的な対立構造を示している。

愛は他者とのつながりや共有を目指すものであり、支配や制御を必要としない。一方、権力への意志は、自己の優位性を確立しようとする動きであり、他者との関係において競争や支配を生む。この二つが対立する理由は、愛が相互理解と調和を求めるのに対し、権力が独占と自己中心性を前提とするためである。

この洞察は現代社会にも深く適用される。職場や政治、家庭の中で、愛情や共感が支配的であるとき、権力争いは影を潜める。一方、権力闘争や支配欲が優先されると、人間関係の温かさや信頼が失われる。この名言は、愛と権力のバランスを取ることの難しさと、その影響の大きさを教えている。そして、それぞれの影響を認識することで、より調和の取れた関係を築くための道筋を示唆している。

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