「国家を築き、そのための法律を整備する者にとって、すべての人間が悪であり、自由が与えられればその精神の邪悪さに従って行動することを前提とすることは必要である」
- 1469年5月3日~1527年6月21日
- フィレンツェ共和国(イタリア)出身
- 政治思想家、外交官
- 『君主論』を著し、近代政治学の基礎を築き、現実主義的な政治思想を提唱した
英文
“It is necessary for him who lays out a state and arranges laws for it to presuppose that all men are evil and that they are always going to act according to the wickedness of their spirits whenever they have free scope.”
日本語訳
「国家を築き、そのための法律を整備する者にとって、すべての人間が悪であり、自由が与えられればその精神の邪悪さに従って行動することを前提とすることは必要である」
解説
この名言は、人間の本性を前提とした統治の必要性を述べている。マキャヴェッリは、人間は本質的に利己的であり、自己の利益や欲望を追求する傾向があると考えた。そのため、国家を構築する際には、人々が自己中心的に振る舞う可能性を十分に考慮し、それに対応するための法制度を整備することが不可欠だと説いている。
彼の時代背景では、イタリア諸国が分裂状態にあり、不安定な政治情勢が続いていた。こうした状況で、理想主義的な法律や制度が機能しないことを目の当たりにしたマキャヴェッリは、現実主義的な統治の必要性を強調した。この名言は、法律や制度が人間の弱点や悪徳を抑制する役割を果たすべきだという彼の哲学を反映している。
現代においても、この名言は法律やガバナンスの設計において重要な教訓を与える。人間の行動が常に善意に基づくとは限らないため、適切な規制やチェック機能が必要とされる。たとえば、企業や政治の透明性を確保するための仕組みや、権力の濫用を防ぐための制度がその一例である。この名言は、人間の現実的な本性を認識した上で、社会の秩序を維持するための仕組みを構築する必要性を教えている。
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