「私は、末期の病に苦しみ、激しい痛みを抱える人々が自らの命を終える選択をする権利を持つべきだと考えている。そして、それを助ける人々も訴追されるべきではない」
- 1942年1月8日~2018年3月14日
- イギリス出身
- 理論物理学者、サイエンス・ライター
- ブラックホールの特異点定理やホーキング放射を発表し、また著作『宇宙を語る』などで科学の普及に貢献した
英文
“I think those who have a terminal illness and are in great pain should have the right to choose to end their own life, and those that help them should be free from prosecution.”
日本語訳
「私は、末期の病に苦しみ、激しい痛みを抱える人々が自らの命を終える選択をする権利を持つべきだと考えている。そして、それを助ける人々も訴追されるべきではない」
解説
この発言は、スティーヴン・ホーキングが安楽死に関する個人的な意見を述べたものである。彼は、末期患者が耐え難い苦痛を抱えている場合、自らの人生の終わりを選ぶ権利を認めるべきだと考え、その決断を支援する行為も法的に許容されるべきだと主張している。この発言には、個人の尊厳と選択の自由に対する深い配慮が感じられる。
「自らの命を終える選択をする権利」という部分は、患者が自身の人生について最終的な決定を下す権利を重視している。これは、人間の尊厳を守る観点から、治癒の見込みがない患者が苦痛の中で生き続けることを強制されるべきではないという立場に基づいている。
「助ける人々も訴追されるべきではない」という主張は、安楽死や医師の介助自殺に関する法的な枠組みについての議論を反映している。多くの国では、これらの行為が倫理的・法的に認められていない場合があるが、ホーキングは、支援者が刑事責任を問われない社会的な理解と制度が必要だと考えている。
ホーキング自身はALS(筋萎縮性側索硬化症)という重い病を抱えており、人生の終末期や苦痛への考えが個人的な経験からも深く影響を受けている可能性がある。この発言は、単なる理論的な主張ではなく、病と向き合う中で培われた実践的な視点を反映している。
この言葉は、終末期医療における倫理的問題と個人の尊厳を巡る議論に重要な視点を提供している。ホーキングの意見は、人間が人生の終わりをどのように迎えるべきかを考える際の出発点として、個人の権利と社会の責任のバランスを問うものである。
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