「彼の父はメディアの総督であり、他の将軍たちの中で最も大きな指揮権を与えられているにもかかわらず、彼はなお貪欲にさらなるものを求めている。そして、私に後継者がいないことが彼をこの邪悪な計画へと駆り立てている。しかし、フィロタスは誤った手段を取っている」
- 紀元前356年7月20日~紀元前323年6月10日
- マケドニア出身
- マケドニア王
- 広大な帝国を築き、ヘレニズム文化を広めた
英文
“His father is governor of Media, and though he has the greatest command given him of all the rest of my generals, he still covetously desires more, and my being without issue spurs him on to this wicked design. But Philotas takes wrong measures.”
日本語訳
「彼の父はメディアの総督であり、他の将軍たちの中で最も大きな指揮権を与えられているにもかかわらず、彼はなお貪欲にさらなるものを求めている。そして、私に後継者がいないことが彼をこの邪悪な計画へと駆り立てている。しかし、フィロタスは誤った手段を取っている」
解説
この発言は、アレクサンドロス大王が自身の将軍の一人、フィロタスに関する疑念を表明したものとされている。文脈から察するに、フィロタスやその父親パルメニオンへの不信感が根底にある。アレクサンドロスは、信頼するべき将軍たちが権力や野心によって自らの立場を脅かしていると感じていた可能性がある。
「私に後継者がいないことが彼をこの邪悪な計画へと駆り立てている」という部分は、アレクサンドロスが後継者問題を深刻に捉えていたことを示唆している。王としての地位が確固たるものである一方で、後継者不在は内部抗争や権力闘争を誘発する要因だった。この背景がフィロタスのような人物の行動に対する大王の警戒心を高めたのだろう。
この言葉は、現代においてもリーダーシップや組織運営における重要な教訓を与える。組織の中で権限を与えられた者が、その力を正しく行使せず、個人的な野心や欲望に駆られる場合、全体に悪影響を及ぼす可能性がある。アレクサンドロスがここで示しているのは、個人の信頼とその限界に関する洞察であり、組織の健全性を保つための厳しい管理の重要性である。
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