「大統領が侵略を防ぐために必要と判断したときに隣国を侵略することを許せば、大統領はその目的が必要であると言いさえすれば、いつでもそれを行うことができる。そして、大統領が自由に戦争を行えるようにすることになる」

エイブラハム・リンカーン
エイブラハム・リンカーンの名言
  • 1809年2月12日~1865年4月15日
  • アメリカ出身
  • 政治家、弁護士
  • 第16代アメリカ合衆国大統領として、隷解放宣言を発布し、南北戦争を指導して国家の統一を維持した

英文

”Allow the president to invade a neighboring nation whenever he shall deem it necessary to repel an invasion, and you allow him to do so whenever he may choose to say he deems it necessary for such purpose – and you allow him to make war at pleasure.”

日本語訳

「大統領が侵略を防ぐために必要と判断したときに隣国を侵略することを許せば、大統領はその目的が必要であると言いさえすれば、いつでもそれを行うことができる。そして、大統領が自由に戦争を行えるようにすることになる」

解説

この名言は、戦争を始める権限に対する慎重な規制の必要性を説いている。リンカーンは、この言葉を通じて、権力の集中がいかに危険であるかを警告している。大統領が「侵略を防ぐ」という名目で戦争を始める権利を無制限に持てば、その権利は容易に乱用され、専制的な統治に繋がる可能性があると指摘している。

リンカーンがこの考えを持った背景には、アメリカ建国の理念である「チェック・アンド・バランス」がある。特に戦争のような重大な決定においては、大統領個人の判断ではなく、議会や国民の意志による正当性が不可欠であると彼は考えた。戦争を始めることは国家全体に影響を及ぼす重大な決断であり、その権限は極めて慎重に管理されるべきだという信念がここに表れている。

現代では、この名言は特に、国家のリーダーが軍事行動を起こす際の正当性や透明性を問う議論において重要である。例えば、国際紛争やテロ対策の名目で行われる軍事行動がどの程度正当化されるべきか、またその決定が独裁的にならないようにする仕組みの必要性が、この言葉に示されている。リンカーンの警告は、現在も国家の権力行使を監視し、民主的統治を守るための重要な指針となっている。

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