「奴隷制がネブラスカや他の新しい領土に広がるかどうかは、そこに移住する人々だけの問題ではない。その領土が最善の形で利用されるべきかどうかは、国家全体の関心事である。我々はそれらの領土を自由な白人の人々の居住地として望んでいる」
- 1809年2月12日~1865年4月15日
- アメリカ出身
- 政治家、弁護士
- 第16代アメリカ合衆国大統領として、隷解放宣言を発布し、南北戦争を指導して国家の統一を維持した
英文
”Whether slavery shall go into Nebraska, or other new territories, is not a matter of exclusive concern to the people who may go there. The whole nation is interested that the best use shall be made of these territories. We want them for the homes of free white people.”
日本語訳
「奴隷制がネブラスカや他の新しい領土に広がるかどうかは、そこに移住する人々だけの問題ではない。その領土が最善の形で利用されるべきかどうかは、国家全体の関心事である。我々はそれらの領土を自由な白人の人々の居住地として望んでいる」
解説
この言葉は、当時のアメリカ合衆国が直面していた領土拡張に伴う奴隷制問題について述べたものである。ただし、特に「自由な白人の人々の居住地」という表現からは、リンカーン自身がその時代特有の人種的偏見を反映した発言をしていることが読み取れる。この発言は、奴隷制の拡大反対という主張と、時代背景による人種的制限の矛盾を含んでいる。
リンカーンは全体として奴隷制に反対する立場を取っていたが、彼の目的は奴隷制そのものを直ちに廃止することよりも、奴隷制が新たな領土に拡大するのを防ぐことにあった。この政策の背景には、南北間の緊張を抑えつつ、国家の統一を維持するという彼の戦略があった。
現代の視点から見ると、この発言には自由や平等の理念が特定の人種に限定されているという矛盾が見られる。この点については、リンカーンがその後、奴隷解放宣言や憲法修正を通じて、より包括的な平等を目指す方向へと進化したことを踏まえる必要がある。この発言は、その時代特有の価値観を反映するとともに、リンカーンの政治的戦略と道徳的成長の過程を理解する手がかりとなるものである。
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