「繁栄には多くの恐れや不満が伴い、逆境には多くの慰めや希望が伴う」
- 1561年1月22日～1626年4月9日
- イングランド出身
- 哲学者、神学者、法学者、政治家、貴族
- 近代科学の基礎を築く「帰納法」を提唱し、またイギリス経験主義の祖として後世に影響を与えた
英文
“Prosperity is not without many fears and distastes; adversity not without many comforts and hopes.”
日本語訳
「繁栄には多くの恐れや不満が伴い、逆境には多くの慰めや希望が伴う」
解説
フランシス・ベーコンのこの言葉は、成功と逆境がそれぞれに異なる側面を持っていることを示している。彼は、繁栄や成功が必ずしも安泰や満足感を伴うものではなく、むしろ多くの恐れや不安をも引き起こす一方で、逆境や困難の中にも安らぎや希望が見出されると指摘している。この言葉は、人生の異なる状況における複雑な感情や価値を認識し、表面的な成功や失敗のイメージに囚われず、物事の内面的な意味を理解することの大切さを説いている。
繁栄は、一見安定や幸福を約束するように見えるが、実際には多くの不安や不満が伴う。たとえば、成功者にはその地位を維持しようとするプレッシャーがあり、財産や名声を失うことへの恐れも増していく。繁栄が増すほどに、他者の期待や競争も激しくなり、自由が制限されると感じることがある。逆に、逆境にある人々は、確かに困難に直面しているものの、他者からの助けや支援の価値を実感し、物質的な成功に依存せずに希望や安心感を見出すことができる。困難な状況が、逆に人間関係や心の豊かさを深める契機となることも多い。
現代においても、この言葉は人生のあらゆる状況におけるバランス感覚の重要性を教えている。成功や安定を求める一方で、心の不安やプレッシャーに悩むことが多い現代社会では、繁栄が必ずしも幸福につながらないことが多々ある。一方で、逆境や困難の中で新たな希望を見出し、支え合うことで成長することもできる。ベーコンの言葉は、繁栄と逆境のどちらにも異なる価値があり、それぞれの状況を通じて人生の深みと意味を見出すことの大切さを教えている。
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