「私は志願してダライ・ラマになったわけではない」

ダライ・ラマ14世
  • 1935年7月6日~
  • チベット出身
  • 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者

英文

”I became the Dalai Lama not on a volunteer basis.”

日本語訳

「私は志願してダライ・ラマになったわけではない」

解説

この名言は、ダライ・ラマ14世が自身の立場を選択ではなく運命として受け入れたという現実を、率直に認めた言葉である。彼は幼少期に転生者として認定され、伝統的な制度に従ってダライ・ラマとしての道を歩むこととなった。その背景には、個人の自由意思ではなく、宗教的制度と歴史の流れによって役割を与えられたという宿命的な側面がある。

「not on a volunteer basis(志願したわけではない)」という言い回しは、ややユーモラスでありながらも、重い責任や期待を幼少期から背負わされた人物としての実感と、そこに込められた人間的な正直さがにじんでいる。この言葉はまた、宗教的役割がしばしば個人の自由や選択を超える領域であることへの静かな批評とも受け取ることができる。

この名言は、指導者や権威者と呼ばれる人物に対して、彼らもまた状況の中で役割を引き受け、苦悩や責任を感じながら生きている存在であるという人間的理解を促す。華やかに見える地位の裏側には、自ら選べない重荷を背負う現実がある。この一言は、そのような運命に対しても誠実に向き合う姿勢と、自己の役割を受け入れる静かな強さを語っている。

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