「子どもが生まれるとき、人々はその子が障害を持っていないかと心配する。健康な男の子や子どもが生まれると、人々は短い間だけとても喜ぶ」

ダライ・ラマ14世
  • 1935年7月6日~
  • チベット出身
  • 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者

英文

”At the beginning when the child is coming, people worry the child may be deformed. When a healthy boy or child comes, people are very happy for a short moment.”

日本語訳

「子どもが生まれるとき、人々はその子が障害を持っていないかと心配する。健康な男の子や子どもが生まれると、人々は短い間だけとても喜ぶ」

解説

この言葉は、人間の喜びと不安がいかに儚く移ろいやすいものであるかを鋭く指摘している。新たな生命の誕生という一大事を前に、人はまず不安や恐れを抱く。無事に健康な子どもが生まれた瞬間には大きな喜びが訪れるが、その感情は長続きせず、すぐに日常の不安や欲望に取って代わられるのが常である。

このような人間の心理の移ろいは、満足感が外的な条件に依存していることの危うさを表している。仏教では、執着こそが苦しみの原因とされるが、この名言も一時的な喜びに執着することで、また新たな不安や欲望が生まれるという現実を暗示している。

現代の社会においても、人は成功や幸福を追い求めるが、それが手に入った瞬間にその価値は薄れ、さらなる達成や保障を求めて絶えず不安になる。この言葉は、真の安定や幸福は一時的な結果にではなく、心の在り方にあるという教えへとつながっていく。人間の感情の儚さを受け入れつつ、より深い心の平静を求める姿勢が、ここに示されているのである。

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