「仁とは愛を根本とするものである。他人を愛することも、自分自身を愛することも、どちらも仁にほかならない」

吉田松陰の名言
吉田松陰の名言
  • 1830年9月20日~1859年11月21日
  • 日本(江戸時代・長州藩)出身
  • 思想家、教育者、尊王攘夷運動家
  • 松下村塾を開いて多くの志士を育成し、明治維新の精神的指導者として知られる。積極的な海外進出と国家改革を訴え、幕末日本の近代化に大きな影響を与えた。志半ばで処刑されるも、その思想は後世に受け継がれた。

原文

「仁は愛を主とする。人を愛する、己れを愛する、同じく仁なり」

現代語訳

「仁とは愛を根本とするものである。他人を愛することも、自分自身を愛することも、どちらも仁にほかならない」

解説

この言葉は、吉田松陰が仁という徳の本質を愛に求めたものである。儒教における「仁」はしばしば他者への思いやりと解されるが、松陰はそれをさらに深めて、他者への愛と自己への愛は本質的に一体であり、どちらも仁の表れであると説いている。これは、自己を大切にしなければ他者をも真に愛することはできないという、鋭い人間理解を反映している。

現代においても、この考えは極めて重要である。利他的な行為ばかりを重視するあまり、自己犠牲に陥れば本末転倒となり、持続的な愛情や善行は不可能となる。吉田松陰は、他人と自分を同等に大切にする心が、真の仁徳を成り立たせるのだと、普遍的な教えを語っているのである。

例えば、社会貢献や支援活動に従事する者が、自己の心身をないがしろにして疲弊してしまえば、結局は他者にも真の善意を届けることはできない。吉田松陰は、自他を等しく愛し、バランスの取れた仁の実践を目指すべきであると、静かにかつ力強く示しているのである。

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