「他者の悲しみを見て、私もまた悲しまずにいられるだろうか。
他者の嘆きを見て、優しい慰めを求めずにいられるだろうか」

- 1757年11月28日~1827年8月12日(69歳没)
- イギリス出身
- 詩人、画家、銅版画職人、神秘主義思想家
英文
”Can I see another’s woe, and not be in sorrow too?
Can I see another’s grief, and not seek for kind relief?”
日本語訳
「他者の悲しみを見て、私もまた悲しまずにいられるだろうか。
他者の嘆きを見て、優しい慰めを求めずにいられるだろうか」
解説
この言葉は、共感と同情の必然性を歌ったものである。ブレイクは、人間が他者の苦しみを目の当たりにしたとき、無関心でいることはできず、必ず自らも心を痛めると述べている。さらに、その悲しみを和らげようとする思いやりの行為が自然に生じることを強調し、共感こそが人間の本質であると説いている。
この詩句は『無垢の歌 (Songs of Innocence)』に収められた「On Another’s Sorrow(他者の悲しみに寄せて)」の冒頭部分であり、当時の形式的で冷厳な宗教観や社会的無関心に対するブレイクの優しい反逆を表している。彼は、真の宗教性や人間性は制度や教義にあるのではなく、他者と痛みを分かち合い、癒そうとする心にこそ宿ると考えた。
現代においても、この名言は普遍的な意義を持つ。社会の中で他者の苦しみに無関心でいることは容易だが、共感と慈しみの行為こそが人間社会を支える力となる。ブレイクの言葉は、他者の悲しみに寄り添い、慰めを与えることが人間にとって避けがたい本質であることを、静かで力強く語りかけている。
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