「大地を耕すことほど、私にとって楽しい仕事はない。そして、庭を育てることに比肩する文化は他にない」

トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
  • 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

“No occupation is so delightful to me as the culture of the earth, and no culture comparable to that of the garden.”

日本語訳

「大地を耕すことほど、私にとって楽しい仕事はない。そして、庭を育てることに比肩する文化は他にない」

解説

この言葉は、ジェファーソンの農業に対する深い愛情と、自然との調和を重んじる生活観を表現している。彼にとって、土を耕し植物を育てることは単なる生産活動ではなく、人間の精神と肉体を健やかに保つ最高の営みであった。そしてその中でも「庭」は、自然の秩序と美、静けさを集約した空間として特別な位置を占めていた。

ジェファーソンは「自作農こそが共和国の最も健全な支柱である」と信じ、都市的な虚飾や商業主義よりも、農業的な生活にこそ真の自由と徳が宿ると考えていた。その思想は、彼自身がモンティチェロの邸宅で実践した庭園設計や栽培の記録、種子の交換などからもうかがえる。大地と直接かかわることが、理性と道徳を育む源泉であるという彼の信念がここに息づいている。

現代において、都市化が進み自然との距離が広がるなか、この名言は人間本来の営みと心の平穏を回復する鍵としての「庭の文化」を思い起こさせてくれる。テクノロジーや効率の追求では得られない静謐な喜びが、土と植物との対話の中にあるという、普遍的で忘れがたい知恵がこの一文には込められている。

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