「我々は、実際の侵害のもとで自らの身体と財産を守るために武器を取った。もしその暴力が取り除かれ、敵の側が敵対行為をやめるならば、我々の側も敵対行為をやめるであろう」

- 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領
英文
“In defense of our persons and properties under actual violation, we took up arms. When that violence shall be removed, when hostilities shall cease on the part of the aggressors, hostilities shall cease on our part also.”
日本語訳
「我々は、実際の侵害のもとで自らの身体と財産を守るために武器を取った。もしその暴力が取り除かれ、敵の側が敵対行為をやめるならば、我々の側も敵対行為をやめるであろう」
解説
この言葉は、防衛のために武器を取る正当性と、平和への意志を同時に示したものである。ジェファーソンはアメリカ独立戦争の正当性を、攻撃ではなく防衛であることに基づいて主張していた。戦争は侵略に対する応答であり、侵略が終われば戦う理由も消えるという原則を明確に述べている。
ここで重要なのは、「actual violation(実際の侵害)」という言葉である。ジェファーソンは、抽象的な脅威ではなく、現実の被害や権利の侵害があった場合にのみ正当防衛が成立すると考えていた。また、「hostilities shall cease on our part also」とあるように、敵の攻撃が止めば我々もそれに応じるという、対話と平和を重んじる姿勢が貫かれている。
この発言は、現代における武力行使の正当性や抑制の原則にも通じる。国家間の緊張や戦争において、防衛と報復の境界をどう定義するかが問われる中、ジェファーソンのこの言葉は、力による応酬よりも、正義と和解の条件に立脚した戦争観を提示している。平和は一方の武力放棄ではなく、相互の敵対停止によって実現するという視点は、今なお有効である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?