「私はローマ人に倣って、今日の将軍は、必要とあらば明日には兵士であるべきだと考える」

トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
トーマス・ジェファーソン(画像はイメージです)
  • 1743年4月13日~1826年7月4日(83歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、思想家、第3代アメリカ合衆国大統領

英文

“I think with the Romans, that the general of today should be a soldier tomorrow if necessary.”

日本語訳

「私はローマ人に倣って、今日の将軍は、必要とあらば明日には兵士であるべきだと考える」

解説

この言葉は、ジェファーソンが抱いていた権力の階層構造に対する批判と、公共の任務における謙虚さの理想を表している。彼は古代ローマの共和主義的価値観に強く影響を受けており、一度高位に就いた者が、その地位に安住するのではなく、必要とあらば下位の役割にも従うべきだという思想に共鳴していた。すなわち、地位は永続的な特権ではなく、状況に応じた義務の一形態にすぎないという原則である。

この名言はまた、リーダーシップとは支配ではなく奉仕であるべきだという、ジェファーソンの政治倫理の一端でもある。将軍である者が兵士として再び戦う覚悟を持つならば、その指導は独善ではなく、現場の苦労を理解する真の共感と責任感に支えられる。ローマ共和制の理想のように、公職は循環すべきものであり、誰もが同時に主権者であり奉仕者であるという考えがここに込められている。

現代においても、地位や肩書きが固定化され、「指導者は命じる者」「兵士は従う者」という役割分担が当然視されがちである。この言葉は、リーダーが現場に立ち返り、責任をともに負う姿勢こそが真の統治と信頼を生むという、普遍的な教訓を力強く伝えている。上に立つ者ほど、必要なときには一兵卒として行動できる覚悟を持たなければならないという、共和主義の精神がこの一文に宿っている。

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