「神学者は罪を主に神に対する冒涜と捉え、倫理学者は理性に反するものとして捉える」

トマス・アクィナス
トマス・アクィナスの名言
  • 1225年頃~1274年3月7日
  • シチリア王国(イタリア)出身
  • 神学者、哲学者
  • スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した

英文

“The theologian considers sin mainly as an offence against God; the moral philosopher as contrary to reasonableness.”

日本語訳

「神学者は罪を主に神に対する冒涜と捉え、倫理学者は理性に反するものとして捉える」

解説

この言葉は、アクィナスが神学と倫理学における罪の異なる視点について述べたものである。彼は、神学者にとって罪は神への冒涜や背反として理解される一方で、倫理学者にとっては罪は理性や合理性に反する行為として捉えられると指摘している。これは、罪をどのような基準で判断するかによって視点が変わることを示しており、神学と倫理学の役割の違いを明らかにしている。

現代においても、この考えは宗教的価値観と世俗的な倫理観の違いを理解するために重要である。宗教的な視点からは、道徳的な過ちが神への不忠や冒涜として考えられるが、世俗的な倫理観からは、合理性や社会の調和に反する行為が罪や過ちとみなされることが多い。アクィナスの言葉は、罪に対する多面的な視点を示し、異なる視点を持つことで理解が深まることを教えている。

日常生活においても、この教えは道徳的判断の柔軟性や他者の価値観に対する理解を促す。例えば、異なる背景を持つ人々がそれぞれの基準で道徳や倫理を判断する場合、その違いを尊重することで、より寛容で調和のある社会を築くことができる。罪や過ちに対する多角的な視点は、多様な価値観や信念を理解し合うための基盤となる。

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