「法とは、共同体を守る者が、公共の利益のために理性に基づいて制定した規範である」

トマス・アクィナス
トマス・アクィナスの名言
  • 1225年頃~1274年3月7日
  • シチリア王国(イタリア)出身
  • 神学者、哲学者
  • スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した

英文

“Law; an ordinance of reason for the common good, made by him who has care of the community.”

日本語訳

「法とは、共同体を守る者が、公共の利益のために理性に基づいて制定した規範である」

解説

この言葉は、アクィナスが法の本質と目的について述べたものである。彼は、法は単なる強制的なルールではなく、理性に基づき、公共の利益を目指すものであると考えた。また、法は共同体の福祉を守るために権限を持つ者によって制定されるべきであるとすることで、共同体全体の幸福と秩序の維持が法の目的であることを強調している。

現代においても、法の基本的な役割は、社会の秩序と公共の利益の保護とされている。法が適切に機能するためには、理性的で公正な内容であることが求められ、また共同体全体の福祉に資するものである必要がある。アクィナスの言葉は、法の本質が単なる支配の道具ではなく、理性と正義に基づいた公共の利益の追求であることを示している。

日常生活においても、この教えは公正と責任を重視するための指針となる。たとえば、ルールや規則を遵守する際、ただ従うだけでなく、その背景にある理性と公共の利益について理解することで、法の意義がより深く感じられる。法は社会の安定と調和を保つためのものであり、それが理性と公正さに基づいていることを認識することが、社会的な責任意識を高める。

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