「祈りにおいて、自らを神に向けて高めず、神が自分に合わせるよう求める者、そして神の意志に従おうとするのではなく、神を自分の意志に従わせようとする者は、祈っているとは言えない」

トマス・アクィナス
トマス・アクィナスの名言
  • 1225年頃~1274年3月7日
  • シチリア王国(イタリア)出身
  • 神学者、哲学者
  • スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した

英文

“It is clear that he does not pray, who, far from uplifting himself to God, requires that God shall lower Himself to him, and who resorts to prayer not to stir the man in us to will what God wills, but only to persuade God to will what the man in us wills.”

日本語訳

「祈りにおいて、自らを神に向けて高めず、神が自分に合わせるよう求める者、そして神の意志に従おうとするのではなく、神を自分の意志に従わせようとする者は、祈っているとは言えない」

解説

この言葉は、アクィナスが真の祈りの姿勢について語ったものである。彼は、祈りが本来あるべき姿は自己を神に近づけるためのものであり、神を自分の思いや願望に合わせることではないと考えた。祈りは神の意志を理解し、その意志に沿って行動するための自己の変容を目指すものであり、単に自己の望みを叶える手段ではない。

現代においても、この考えは祈りや自己成長に関する深い洞察を与えてくれる。祈りが自己中心的な願望の表現に留まると、本質的な意義を見失い、信仰が浅くなってしまうことがある。アクィナスの言葉は、祈りが自己の欲求ではなく、神の意志との調和を求めるものであるべきだという重要な教えを示している。

日常生活においても、この考え方は謙虚な心構えとして役立つ。私たちが何かを求める際、それが自己の利益だけを意図したものなのか、それともより大きな目的や意義に基づいているのかを見つめ直すことができる。祈りを通じて自己を高め、神の意志と調和することは、深い信仰と自己の成熟を育む基礎となる。

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