「個々の本質に関して言えば、女性は不完全であり、誤って生じたものである。男性の精の活動力は、完全な男性としての像を生み出すことを目指すが、女性の生成はその活動力の欠陥から生じる」

トマス・アクィナス
トマス・アクィナスの名言
  • 1225年頃~1274年3月7日
  • シチリア王国(イタリア)出身
  • 神学者、哲学者
  • スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した

英文

“As regards the individual nature, woman is defective and misbegotten, for the active power of the male seed tends to the production of a perfect likeness in the masculine sex; while the production of a woman comes from defect in the active power.”

日本語訳

「個々の本質に関して言えば、女性は不完全であり、誤って生じたものである。男性の精の活動力は、完全な男性としての像を生み出すことを目指すが、女性の生成はその活動力の欠陥から生じる」

解説

この言葉は、アクィナスが中世の性別観を述べたものだが、現代の視点から見ると非常に物議を醸すものである。彼は、当時のアリストテレス哲学や生物学的な理解に基づき、男性を基準として捉え、女性を「不完全」な存在とする見解を持っていた。この考え方は、現代の科学や倫理の観点では受け入れられておらず、性差に対する深い誤解に基づくものである。

現代においては、性別や個人の違いは「不完全」や「完全」で評価されるものではなく、多様性や個性として尊重されるべきものとされている。性別の違いは、それぞれが持つ特性や役割を反映しているものであり、価値を判断するものではない。この言葉は、時代と文化による価値観の変化を理解する一例として重要であり、現代では性別に関する偏見や誤解を避けるべきであることを示唆している。

日常生活においても、このような時代背景や価値観の変化を理解することが、平等で尊重ある人間関係を築くために役立つ。人々の価値は性別に基づくものではなく、その人自身の人間性や特性によって評価されるべきであり、互いの違いを尊重することで、多様性豊かな社会が実現する。

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