「人間のあらゆる努力をもってしても、一匹のハエの本質を尽くすことはできない」

トマス・アクィナス
トマス・アクィナスの名言
  • 1225年頃~1274年3月7日
  • シチリア王国(イタリア)出身
  • 神学者、哲学者
  • スコラ学の代表的存在であり、代表作『神学大全』を通じて、カトリック教会の教義と理性の関係を体系化した

英文

“All the efforts of the human mind cannot exhaust the essence of a single fly.”

日本語訳

「人間のあらゆる努力をもってしても、一匹のハエの本質を尽くすことはできない」

解説

この言葉は、アクィナスが自然の奥深さと人間の限界について述べたものである。彼は、自然界に存在するたった一匹の小さな生物でさえも、その本質や仕組みを完全に理解することは人間にはできないと考えた。この考え方は、知識や理解には限界があり、自然の神秘をすべて解き明かすことは不可能であるという謙虚な姿勢を促している。

現代の科学においても、生物の複雑な構造や生態系の仕組みを解明する努力は続いているが、未だすべてを理解するには至っていない。このような言葉は、科学的探究が進んだ今でも自然の奥深さと驚異を感じさせ、自然に対する敬意と謙虚さを忘れないようにする重要な教訓となる。

日常生活でも、この言葉は謙虚な姿勢を持つことの大切さを示唆している。例えば、私たちが当たり前と見なす事物や現象でさえ、その背後には計り知れない複雑さが存在する。すべてを知り尽くすことは不可能であると認識することで、日々の生活に新たな視点や驚きが生まれ、世界をより深く理解しようとする探究心が育まれる。

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