「愛、喜び、美しさといったものは科学とは異なるカテゴリーに属し、科学的に説明できないと主張する人もいる。しかし、これらは進化論によって説明できると私は考えている」
- 1942年1月8日~2018年3月14日
- イギリス出身
- 理論物理学者、サイエンス・ライター
- ブラックホールの特異点定理やホーキング放射を発表し、また著作『宇宙を語る』などで科学の普及に貢献した
英文
“Some people would claim that things like love, joy and beauty belong to a different category from science and can’t be described in scientific terms, but I think they can now be explained by the theory of evolution.”
日本語訳
「愛、喜び、美しさといったものは科学とは異なるカテゴリーに属し、科学的に説明できないと主張する人もいる。しかし、これらは進化論によって説明できると私は考えている」
解説
この言葉は、スティーヴン・ホーキングが感情や美の概念と科学の関係性について深く考えていたことを示している。彼は、愛や喜び、美しさといった抽象的な人間の経験が、進化論を通じて科学的に説明できると信じていた。この見解は、人間の感情や価値観を、進化のプロセスの中で生じた生物学的適応として捉える進化心理学の立場に通じている。
進化論の観点から見ると、愛や喜び、美しさに対する感覚は、個体や種の生存に寄与する特性として発展してきた可能性がある。たとえば、愛は親密なつながりを形成し、家族や社会集団を安定させるために役立つ。喜びはポジティブな行動を強化し、美しさへの感覚は適応的な選択(健康や繁殖能力の指標としての魅力)に関連していると考えられる。
ホーキングの主張には、科学が感情や価値を単に還元主義的に解釈するものではなく、それらをより深く理解するためのツールになり得るという視点が含まれている。この考え方は、科学と人文学、哲学との対話を促し、感情や美の意味を探求する上で重要な基盤を提供している。
さらに、ホーキングはこうした科学的視点が、感情や美の価値を減じるものではなく、むしろそれらを理解し、賞賛する新たな視座を与えると考えていた。この発言は、科学が物理的現象だけでなく、人間の内面や体験の謎をも解明し得るという希望を象徴している。
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