「長い目で見れば、宗教が人間の本性を変え、争いを減らすことを期待することはできる。しかし、この点に関して歴史は希望を与えてくれない。歴史上もっとも血なまぐさい戦争は宗教戦争であった」

リチャード・ニクソンの名言
リチャード・ニクソンの名言
  • 1913年1月9日~1994年4月22日
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治家、弁護士、第37代アメリカ合衆国大統領
  • 外交政策において米中関係の正常化やソ連とのデタントを進めたが、ウォーターゲート事件により辞任した初の大統領としても知られている。冷戦期アメリカ政治の象徴的人物である。

英文

“In the long term we can hope that religion will change the nature of man and reduce conflict. But history is not encouraging in this respect. The bloodiest wars in history have been religious wars.”

日本語訳

「長い目で見れば、宗教が人間の本性を変え、争いを減らすことを期待することはできる。しかし、この点に関して歴史は希望を与えてくれない。歴史上もっとも血なまぐさい戦争は宗教戦争であった」

解説

この発言は、宗教に対する希望と懐疑が交錯するニクソンの率直な見解を表している。宗教が道徳的指針や社会秩序の基盤として機能することへの期待を認めつつも、現実の歴史においてはしばしば暴力と対立の原因となってきたという事実に目を向けている。特に中世の十字軍、三十年戦争、さらには現代の宗教的過激主義に至るまで、宗教が引き金となった大規模な流血の歴史が念頭に置かれている。

注目すべきは、「history is not encouraging(歴史は希望を与えてくれない)」という冷静な分析である。ニクソンは理想を掲げるだけでなく、人間の本性や宗教の現実的な影響を歴史的視点から評価している。このような態度は、単なる信仰や道徳の理想論に留まらず、現実的な国際政治や社会問題に宗教がどう関与するかを熟慮した姿勢を示している。

現代においても、宗教は倫理の源泉であると同時に、分断や衝突の要因となりうる。ニクソンのこの発言は、宗教に期待を抱きつつも、その影響を歴史と照らし合わせて慎重に捉えるべきであるという教訓を与えており、理想と現実の間での政治的思慮の在り方を体現した名言である。

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