「完全に理解できるものしか信じない人は、非常に賢いか、あるいは極めて短い信条しか持たないだろう」

- 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
- フランス出身
- イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者
英文
“He that will believe only what he can fully comprehend must have a long head or a very short creed.”
日本語訳
「完全に理解できるものしか信じない人は、非常に賢いか、あるいは極めて短い信条しか持たないだろう」
解説
この言葉は、信念や信仰のあり方に対する洞察である。人間の知性には限界があり、あらゆる事象を完全に理解することはできない。にもかかわらず、理解できるものしか信じないと主張する人間は、ほとんど何も信じられないという皮肉が込められている。ここでいう「long head」とは非常に賢く深い理解力を持つことを意味し、「short creed」とは信条や信仰が極めて限定的で狭いことを指す。
時代背景としては、近代以降、啓蒙思想や科学の進展によって理性と理解が重視される一方で、宗教的信仰や形而上学的な理念は理性では完全に説明しきれないものとされた。この言葉はその緊張関係を指摘し、理性と信仰の境界をどう考えるかという普遍的な課題を提示している。
現代においても、この思想は重要である。科学や合理主義の時代であっても、人間は愛、希望、道徳といった理解しきれない概念に依拠して生きている。例えば倫理の問題や宗教的価値観は、必ずしも理性で完璧に説明できるものではない。この名言は、人間の理解を超えた領域に対して謙虚であることの重要性を示しているのである。
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