「ハリウッドには本当に愚かな人間がいる。脚本を書いて渡すと、『素晴らしい!本当に素晴らしい!』と言う。だが次にこう言うのだ――『でも小さな犬とエスキモーが必要じゃない?舞台はニューギニアにすべきじゃない?』 こっちは言う――『これはパリを舞台にした洗練されたロマンティック・コメディなんだが』」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

“They are just really stupid people in Hollywood. You write them a script, and they say they love it, they absolutely love it. Then they say, ‘But doesn’t it need a small dog, and an Eskimo, and shouldn’t it be set in New Guinea?’ And you say, ‘But it is a sophisticated romantic comedy set in Paris.'”

日本語訳

「ハリウッドには本当に愚かな人間がいる。脚本を書いて渡すと、『素晴らしい!本当に素晴らしい!』と言う。だが次にこう言うのだ――『でも小さな犬とエスキモーが必要じゃない?舞台はニューギニアにすべきじゃない?』 こっちは言う――『これはパリを舞台にした洗練されたロマンティック・コメディなんだが』」

解説

この名言は、ハリウッドの映画制作現場における創造性と商業主義の衝突を痛烈に風刺した一言である。P・J・オロークは、脚本家の真剣な意図や芸術性が、プロデューサーや重役によっていかに理不尽に改変されるかという現実を、ユーモラスかつ嘆かわしく描いている

「小さな犬」「エスキモー」「ニューギニア」という突飛な要素は、市場受けや話題性を狙って無理に盛り込もうとする商業的要求の象徴である。それに対して「洗練されたロマンティック・コメディ」「パリ」という表現は、脚本家が意図した雰囲気や作品の一貫性を象徴しており、芸術的ビジョンが無理解な意見に蹂躙される滑稽さと悲哀が浮き彫りになる。

この言葉は、現代のエンターテインメント業界だけでなく、あらゆる創造的分野に通じる構造的問題――専門性が無理解と権力によって歪められる現象への警鐘でもある。オロークはそのジレンマを、笑えるほど愚かな例に落とし込みながら、本質的な批判として投げかけている

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