「偉大な謝罪者というのは、大きく荒々しい人生を送っていなければならない。世界の傷に口づけしてなだめようとするなら、まずは自分で痣を植え付けておくべきだ。真の謝罪の達人は、バイロン卿や『カサブランカ』のリック、あるいはリー・アトウォーターのような人物でなければならない」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”The great apologist has to have lived large and wild. If he’s going to kiss the world’s boo-boos and make up, he’d better plant some bruises first. A master apologizer has to be a Lord Byron, a Rick in Casablanca, a Lee Atwater, anyway.”

日本語訳

「偉大な謝罪者というのは、大きく荒々しい人生を送っていなければならない。世界の傷に口づけしてなだめようとするなら、まずは自分で痣を植え付けておくべきだ。真の謝罪の達人は、バイロン卿や『カサブランカ』のリック、あるいはリー・アトウォーターのような人物でなければならない」

解説

この名言は、謝罪の真実性と人生経験の関係を風刺的に語っている。オロークは、謝罪が単なる形式ではなく、実際に過ちや過激な経験を経た人物によって初めて説得力を持つと指摘する。つまり、何のリスクも取らず清廉に見える人物が謝罪しても響かないが、荒々しい人生を送り、他者を傷つけた経験を持つ人物が謝罪すれば、そこに真実味と重みが生まれるという皮肉である。

背景には、文化や政治における謝罪の演出がある。詩人バイロンは放蕩と激情的な生き方で知られ、映画『カサブランカ』のリックは冷徹さと人情を併せ持つ人物、リー・アトウォーターは攻撃的な選挙戦略で名を馳せた政治コンサルタントである。オロークはこれらの人物を例に挙げ、謝罪の「本物らしさ」には矛盾や傷跡が不可欠だと表現している。

現代に応用すると、この言葉はリーダーや著名人の謝罪のあり方を考えさせる。現代社会では謝罪がしばしばパフォーマンス化し、誠意が疑われる。しかし、実際に過ちを犯し、そこから学んだ者の謝罪には力がある。オロークの皮肉は、謝罪における真実性は清廉さではなく、経験の重みから生まれるという逆説を示しているのである。

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