「大いなるヒュルカニアのサテュロスと虎が海の民に贈り物を差し出す。カルマニアから艦隊の長が出立し、ティレニアのフォカイア人の地に上陸するであろう」

ノストラダムス(画像はイメージです)
ノストラダムス(画像はイメージです)
  • 1503年12月14日~1566年7月2日(62歳没)
  • フランス出身
  • 医師、占星術師、詩人

英文

”The great Satyr and Tiger of Hyrcania presents a gift to those of the Ocean; A fleet’s chief will set out from Carmania, one who will take land at the Tyrren Phocaean.”

日本語訳

「大いなるヒュルカニアのサテュロスと虎が海の民に贈り物を差し出す。カルマニアから艦隊の長が出立し、ティレニアのフォカイア人の地に上陸するであろう」

解説

この句は、古代の地名と神話的存在を交えた象徴的な地政学的予言である。「ヒュルカニア」はカスピ海南岸の地域(現在のイラン北部)を指し、そこから「サテュロスと虎」という神話的かつ猛獣的イメージを伴う力が現れるとされている。これは東方からの強大な勢力を象徴していると考えられる。

「カルマニア」は古代ペルシアの地域であり、そこから艦隊の長が出発すると述べられている。これは中東やペルシア湾方面からの海上進出を示すと解釈され、地中海世界に影響を及ぼす勢力の登場を暗示している。「ティレニアのフォカイア人の地」とは、古代ギリシアの植民都市フォカイアとイタリア西岸(ティレニア海)を結び付ける表現であり、地中海西部への侵攻を指している可能性が高い。

現代的に捉えるならば、この予言は東方の勢力が海を通じて西方に影響を及ぼす地政学的動きを寓話的に描いたものといえる。ノストラダムスは神話的表現を用いながら、東西の力の衝突や交流を暗示しており、これは今日でも国際関係に繰り返される海上覇権と文明の対立を象徴している。

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