「インドが苦しんでいる最大の災厄の一つは、賄賂と腐敗である。他の国々がそれから自由であるとは言わないが、我々の状況ははるかに悪いと思う。それは本当に毒である」

ムハンマド・アリー・ジンナー(画像はイメージです)
ムハンマド・アリー・ジンナー(画像はイメージです)
  • 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
  • パキスタン出身
  • 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督

英文

”One of the biggest curses from which India is suffering – I do not say that other countries are free from it, but I think our condition is much worse – is bribery and corruption. That really is a poison.”

日本語訳

「インドが苦しんでいる最大の災厄の一つは、賄賂と腐敗である。他の国々がそれから自由であるとは言わないが、我々の状況ははるかに悪いと思う。それは本当に毒である」

解説

この言葉は、ジンナーがインド社会に深く根付いた賄賂と腐敗の害悪を鋭く指摘したものである。彼はそれを「毒」と呼び、社会の健全性を蝕み、国家の発展を阻む致命的な要因として捉えていた。独立を目指す過程で、政治的自由だけでは不十分であり、道徳的改革と清廉な統治が不可欠であるという彼の信念が表れている。

歴史的背景として、植民地期のインドでは行政機構が複雑で、権力を持つ官僚や役人に賄賂が横行していた。さらに、分離独立の混乱期には難民の受け入れや物資配分をめぐる不正も頻発し、社会の信頼が揺らいでいた。ジンナーの発言は、こうした現実を前にして、国家建設において腐敗撲滅こそ最優先課題であると訴えるものだった。

現代においても、この言葉は大きな意義を持つ。多くの国で汚職は依然として経済発展や民主主義の障害となっている。ジンナーが「毒」と断じたように、腐敗は社会のあらゆる分野に影響を及ぼし、格差や不正義を拡大させる。彼の警告は、真に健全な国家とは清廉さを基盤に築かれるという普遍的な真理を今なお強く訴えている。

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