「パキスタンは神権国家―神の使命を帯びた聖職者によって支配される国家―にはならない。我々にはヒンドゥー教徒、キリスト教徒、パルシー教徒など多くの非ムスリムがいるが、彼らも皆パキスタン人である。彼らは他の市民と同じ権利と特権を享受し、パキスタンの事務において正当な役割を果たすであろう」

ムハンマド・アリー・ジンナー(画像はイメージです)
ムハンマド・アリー・ジンナー(画像はイメージです)
  • 1876年12月25日~1948年9月11日(71歳没)
  • パキスタン出身
  • 政治家、弁護士、パキスタン建国の父、初代総督

英文

”Pakistan is not going to be a theocratic State – to be ruled by priests with a divine mission. We have many non-Muslims – Hindus, Christians, and Parsis – but they are all Pakistanis. They will enjoy the same rights and privileges as any other citizens and will play their rightful part in the affairs of Pakistan.”

日本語訳

「パキスタンは神権国家―神の使命を帯びた聖職者によって支配される国家―にはならない。我々にはヒンドゥー教徒、キリスト教徒、パルシー教徒など多くの非ムスリムがいるが、彼らも皆パキスタン人である。彼らは他の市民と同じ権利と特権を享受し、パキスタンの事務において正当な役割を果たすであろう」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、ジンナーが明確に示したパキスタン国家の世俗的性格を物語るものである。彼は、パキスタンがイスラムの理念を土台としつつも、宗教的権威による支配を拒否し、すべての市民を平等に扱う国家であるべきだと主張した。つまり、建国の理念は宗派的独裁ではなく、市民的平等と多宗教共存にあったことを強調している。

歴史的背景として、独立直後のパキスタンには多くの宗教的少数派が残っていた。分離独立に伴う暴力と不安の中で、非ムスリム市民は自らの立場に懸念を抱いていた。ジンナーはこの演説を通じて、パキスタンはすべての市民の国家であり、信仰の違いは市民権を左右しないと宣言し、国家の正統性を国際社会にも示そうとしたのである。

現代においても、この言葉は重要な意義を持つ。多宗教国家において少数派の権利を守ることは社会の安定に不可欠である。ジンナーの言葉は、宗教的多数派が権力を握る国家においても、真の国家の強さは多様性を包含し、市民の平等を保障することにあるという普遍的な教訓を伝えている。

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