「私は矛盾に気づきました。痛みを感じるまで愛し続けると、もう痛みはなくなり、ただ愛だけが残るのです」

マザー・テレサ
マザー・テレサの名言
  • 1910年8月26日~1997年9月5日
  • オスマン帝国(北マケドニア)出身
  • カトリックの修道女で聖人
  • インドで「神の愛の宣教者会」を設立し、貧困層や病人、孤児への支援活動を通じてノーベル平和賞を受賞した

英文

“I have found the paradox, that if you love until it hurts, there can be no more hurt, only more love.”

日本語訳

「私は矛盾に気づきました。痛みを感じるまで愛し続けると、もう痛みはなくなり、ただ愛だけが残るのです」

解説

この名言は、マザー・テレサが愛の深さとその本質について表現したものだ。一見すると、この言葉は逆説的に思える。愛することが痛みを伴うと考えられるのに、彼女はその愛が痛みを超えて、さらなる愛へと変わると述べている。この言葉が示すのは、愛がどれほど強力で、苦しみさえも乗り越える力を持っているかということだ。愛することは、時に困難で心を砕かれるような体験を伴うが、その過程を経て私たちはさらに深い愛を理解し、体験することができる。

この言葉が語られた背景には、マザー・テレサの生涯を通じた献身的な奉仕がある。彼女は貧しい人々、病人、孤独な人々と接する中で、何度も心の痛みを経験した。しかし、彼女はその痛みをただ苦しみとして捉えるのではなく、より深い愛を実践する機会として受け入れた。彼女の愛は自己犠牲を伴うものだったが、その愛によって多くの人が救われ、癒されたのである。彼女は、人間の苦しみに向き合い続けた結果、愛が痛みを超える瞬間を何度も体験したといえるだろう。

現代社会においても、この考え方は多くの人に学びを与える。私たちは日々の人間関係や自己犠牲的な行動の中で、愛が試される瞬間を経験することがあるだろう。例えば、親が子どものために夜通し看病したり、誰かのために自分の時間を割いたりすることも、愛が痛みを伴う例である。それでも、そこには深い喜びが生まれる。愛は与える側にも癒しを与え、さらに豊かな感情を育む。痛みが愛に変わる経験は、私たちが人間として成長するための貴重な瞬間であり、愛の力を再認識することができるのだ。

具体例としては、介護の場面がわかりやすい。誰かの世話をし続けることは、身体的にも精神的にも大きな負担となる。特に、家族の介護は長期にわたり、心身に痛みを感じることもあるだろう。しかし、多くの介護者が語るように、その体験を通じて、ただ苦しみだけではなく、深い絆や愛を感じる瞬間がある。愛情を持って世話をすることで、双方の心が結びつき、苦しみはやがて愛の充足感へと変わるのだ。

このように、愛は単に幸せを感じるだけではなく、時に試練として現れる。しかし、その試練を乗り越えることで、私たちはより大きな愛に包まれる。痛みを恐れるのではなく、その先にある愛の豊かさを信じることが大切だと、マザー・テレサは教えてくれている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


関連するタグのコンテンツ

申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る