「私たちはパリに入城しました。栄誉に関しては、想像し得る限りのものを受けましたが、それらはもちろん素晴らしいものでしたが、私が最も心を動かされたものではありませんでした。本当に胸を打たれたのは、重税に苦しみながらも、私たちを見て歓喜に満ちた貧しい人々の優しさと真心でした」

マリー・アントワネット
マリー・アントワネットの名言
  • 1755年11月2日~1793年10月16日
  • 神聖ローマ帝国オーストリア公国出身
  • 王妃
  • ファッションや文化に影響を与え、宮廷生活の華やかさを象徴した

英文

“We made our entrance into Paris. As for honors, we received all that we could possibly imagine; but they, though very well in their way, were not what touched me most. What was really affecting was the tenderness and earnestness of the poor people, who, in spite of the taxes with which they are overwhelmed, were transported with joy at seeing us.”

日本語訳

「私たちはパリに入城しました。栄誉に関しては、想像し得る限りのものを受けましたが、それらはもちろん素晴らしいものでしたが、私が最も心を動かされたものではありませんでした。本当に胸を打たれたのは、重税に苦しみながらも、私たちを見て歓喜に満ちた貧しい人々の優しさと真心でした」

解説

この発言は、マリー・アントワネットがフランス王太子妃として初めてパリに入城した際の感想として語ったものとされる。王室に対する市民の期待や喜びを述べつつも、貧困層が置かれている厳しい状況にも目を向けている点が印象的である。特に、重税に苦しみながらも王室を歓迎する市民の姿に対して「胸を打たれた」と述べていることは、彼女が市民の感情や困難を理解しようとしていた姿勢を示している。

この言葉からは、彼女が王妃としての責任を自覚しつつも、実際の統治や政策に影響を及ぼす立場になかったジレンマが読み取れる。貧しい人々の苦境に気づきながらも、それを直接改善する手段を持たなかった彼女の立場は、後にフランス革命に繋がる民衆の不満を背景にした歴史的な悲劇を予感させる

現代において、この発言は、リーダーや象徴的な立場にある人々が、自らの行動がどのように人々に影響を与えるかを深く理解することの重要性を教えている。また、社会的不平等に対する感受性を持ちながらも、それを解決する行動に結びつける難しさも示唆している。この発言は、単なる感想を超えて、当時のフランス社会の構造的な問題と、それを内側から見つめた彼女の人間性を浮き彫りにしているといえる。

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