「私が祖国に対して無関心であると思われることは、私に対する大きな不当です。私には、自分の血に流れる価値を日々感じる理由が他の誰よりもあります。ただ、慎重さから、その誇りを時折表に出すことを控えているだけです」
- 1755年11月2日~1793年10月16日
- 神聖ローマ帝国オーストリア公国出身
- 王妃
- ファッションや文化に影響を与え、宮廷生活の華やかさを象徴した
英文
“It would be doing me great injustice to think that I have any feeling of indifference to my country; I have more reason than anyone to feel, every day of my life, the value of the blood which flows in my veins, and it is only from prudence that at times I abstain from showing how proud I am of it.”
日本語訳
「私が祖国に対して無関心であると思われることは、私に対する大きな不当です。私には、自分の血に流れる価値を日々感じる理由が他の誰よりもあります。ただ、慎重さから、その誇りを時折表に出すことを控えているだけです」
解説
この発言は、マリー・アントワネットが自らのオーストリア出身であることや、その出自に対する誇りを表現しながら、慎重な態度を求められる立場にいることを語ったものとされる。彼女はオーストリア皇女としてフランス王室に嫁ぎ、両国間の同盟を象徴する存在であったが、フランスでは「オーストリア女」という侮蔑的な呼び方をされることもあり、出自への偏見や批判を受けていた。
この言葉には、自らの血筋に対する誇りと、他者の誤解や偏見に対する悔しさが込められている。「慎重さから誇りを抑えている」という部分は、彼女が異国の地でどのように振る舞うべきかを考え、配慮していた姿勢を示している。しかし、彼女の行動や言葉がフランス国内で理解されず、反感を買うことが多かったため、この慎重さが十分に効果を上げたとは言い難い。
この発言は、現代においてもアイデンティティや国際的な背景を持つ人々が、出自に誇りを持ちながらも、多文化社会で調和を保つ必要性を象徴している。また、個人がどのように自分のルーツや背景を他者に伝え、誤解を解くかの難しさも感じさせる。この言葉を通じて、マリー・アントワネットの葛藤と誇り、そして彼女が生きた時代の複雑な国際関係が垣間見える。
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