「あと1か月で、プロヴァンス伯爵夫人に関する知らせを陛下にお届けできるでしょう。結婚式の日程は5月14日に決まりました。この結婚式のために多くの祝祭が準備されていましたが、資金不足のために節約されています」
- 1755年11月2日~1793年10月16日
- 神聖ローマ帝国オーストリア公国出身
- 王妃
- ファッションや文化に影響を与え、宮廷生活の華やかさを象徴した
英文
“In a month’s time, I shall be able to give your Majesty news of the Comtesse de Provence, for the marriage is fixed for May 14th; they had prepared many fetes for this marriage, but now they are economising in them for want of money.”
日本語訳
「あと1か月で、プロヴァンス伯爵夫人に関する知らせを陛下にお届けできるでしょう。結婚式の日程は5月14日に決まりました。この結婚式のために多くの祝祭が準備されていましたが、資金不足のために節約されています」
解説
この言葉は、マリー・アントワネットが母マリア・テレジアに宛てた手紙の中で述べたとされ、フランス宮廷の状況を伝えるとともに、財政の困窮を匂わせている。プロヴァンス伯爵夫人とはルイ16世の弟であるプロヴァンス伯爵(後のルイ18世)の妻を指し、この結婚は王族間の関係強化や宮廷の華やかさを示す重要なイベントだった。
当時のフランス宮廷では、豪華な祝祭や式典が一般的だったが、この発言から、財政難が影響して計画が縮小されたことが読み取れる。特に「資金不足」という表現は、フランス王室がいかに厳しい経済状況に置かれていたかを象徴している。これは、後にフランス革命を引き起こす要因の一つとなった財政危機の兆候ともいえる。
この言葉は、豪華さと現実のギャップを意識することの重要性を現代に教えている。社会や組織においても、目に見える表面的な華やかさだけでなく、内部の実態や持続可能性を考える必要がある。このような背景を踏まえると、マリー・アントワネットが自身の役割や宮廷の状況を母に報告する際に見せた現実的な視点を評価できるだろう。
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