「私はヒューム氏による『イングランド史』を読み始めました。それは非常に興味深いものに思えますが、著者がプロテスタントであることを忘れないようにしなければなりません」
- 1755年11月2日~1793年10月16日
- 神聖ローマ帝国オーストリア公国出身
- 王妃
- ファッションや文化に影響を与え、宮廷生活の華やかさを象徴した
英文
“I have begun the ‘History of England’ by Mr. Hume. It seems to me very interesting, though it is necessary to recollect that it is a Protestant who has written it.”
日本語訳
「私はヒューム氏による『イングランド史』を読み始めました。それは非常に興味深いものに思えますが、著者がプロテスタントであることを忘れないようにしなければなりません」
解説
この発言は、マリー・アントワネットが当時の文学や歴史書に対する知的好奇心を示す一方で、宗教的視点の重要性についても触れていることがうかがえる。デイヴィッド・ヒュームの『イングランド史』は、啓蒙時代の代表的な歴史書であり、ヒュームの冷静な分析と鋭い洞察が特徴である。ただし、ヒュームはプロテスタントの視点から執筆しており、カトリック教徒であったマリー・アントワネットにとって、その視点の違いを意識しながら読む必要があったと考えられる。
この言葉からは、彼女が異なる宗教や思想を持つ人々の意見に触れることの重要性を理解していた一方で、自身のカトリック的視点を大切にしていた姿勢が感じられる。18世紀のフランスでは、カトリックが国家宗教であったため、プロテスタントの著作に対する警戒心は一般的だった。このような背景を踏まえると、彼女の発言は単なる読書感想以上に、宗教と思想の境界を慎重に扱う姿勢を示している。
現代において、この発言は、異なる視点や背景を持つ情報源に触れる際の批判的思考の重要性を教えている。特に、歴史書や文学は、著者の背景や価値観に影響されることが多く、その点を意識しながら読むことで、より深い理解が得られる。この発言は、マリー・アントワネットが単なる王妃としてだけでなく、知的な好奇心を持つ一個人としての側面を垣間見せるものである。
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