「似た者同士は親しくなる」

マルクス・トゥッリウス・キケロの名言
マルクス・トゥッリウス・キケロの名言

紀元前106年1月3日~紀元前43年12月7日
ローマ共和国出身
政治家、弁護士、哲学者、雄弁家
共和政ローマを代表する弁論家・思想家として知られ、ラテン文学とローマ法の発展に多大な影響を与えた。政治的混乱の中で共和政の理想を擁護し、著作を通じて西洋政治思想と修辞学に大きな遺産を残した。

英文

”Like associates with like.”

日本語訳

「似た者同士は親しくなる」

解説

この言葉は、人間の本性に根ざした社会的結びつきの傾向を端的に表現したものである。キケロは古代ローマの文脈において、徳や知識を共有する者同士が自然と結びつくことを強調していた。これはプラトンやアリストテレスに通じる古代ギリシア哲学の系譜を継いでおり、人は共通の価値観、道徳観、趣味を持つ者に惹かれるという観察を裏付けている。

この考え方は、友情や政治的同盟、社会集団の形成においても重要である。キケロにとって友情とは、善を愛する者同士が互いの徳を認め合うことで成立する深い関係であり、単なる利害関係とは異なる。ゆえに、似た者が結びつくというのは、単に外見や習慣の類似ではなく、内面的な一致が重視されたのである。

現代においてもこの格言は健在であり、SNSのアルゴリズムが同じ趣味や考え方の人をつなげることなどに象徴されるように、共通点が人間関係の起点になる傾向は変わっていない。また、職場や友人関係、恋愛関係においても価値観の一致が良好な関係の基礎となるため、この言葉の普遍的な意義は今も色褪せていない。

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