「戦争を遂行する最も豊かな力の源泉は人民大衆にある。日本が我々を侮るのは、主として中国人民が組織されていないからである。この欠陥が改められれば、日本の侵略者は、炎の輪に突っ込む狂った雄牛のように、数億の人民に取り囲まれ、その声だけで恐怖に打たれ、焼き尽くされて死ぬであろう」

毛沢東の名言・格言・警句(画像はイメージです)
毛沢東の名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1893年12月26日~1976年9月9日
  • 中国出身
  • 政治家、思想家

英文

”The richest source of power to wage war lies in the masses of the people. It is mainly because of the unorganized state of the Chinese masses that Japan dares to bully us. When this defect is remedied, the Japanese aggressor, like a mad bull crashing into a ring of flames, will be surrounded by hundreds of millions of our people standing upright, the mere sound of their voices will strike terror into him, and he will be burned to death.”

日本語訳

「戦争を遂行する最も豊かな力の源泉は人民大衆にある。日本が我々を侮るのは、主として中国人民が組織されていないからである。この欠陥が改められれば、日本の侵略者は、炎の輪に突っ込む狂った雄牛のように、数億の人民に取り囲まれ、その声だけで恐怖に打たれ、焼き尽くされて死ぬであろう」

解説

この言葉は、毛沢東が抗日戦争期における人民大衆の力の重要性を強調したものである。毛沢東は、戦争の勝敗を決定づけるのは武器や装備そのものではなく、人民の組織化と動員であると考えた。日本が中国を侵略できたのは、中国人民が分裂し統一されていなかったからであり、その欠陥を克服すれば人民の力は侵略者を圧倒できると説いたのである。

この発想の背景には、人民戦争の理論がある。毛沢東は、人民が組織されて立ち上がれば、その数的規模と士気が侵略軍を圧倒すると信じていた。比喩としての「炎の輪に突っ込む狂牛」は、強大に見える侵略者も人民大衆の力の前では無力であることを示す表現である。ここには、人民を戦争の主体とする毛沢東独自の革命戦略が表れている。

現代においても、この言葉は社会運動や国家防衛における民衆の力の役割を考えさせる。権力や軍事力がどれほど強大であっても、組織された大衆の力には抗し難いことを歴史は示している。毛沢東の言葉は、人民の覚醒と組織化こそが最大の戦力であるという教訓を伝えている。

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